クロストレックにスーパーデッドニング・フロント&リア同時施工
本日はこちらのお車のご紹介。
スバル クロストレックです。
クロストレックへの施工はお初です。
和歌山県よりお越しいただきました。
遠路はるばるありがとうございます。
ご依頼いただいた施工内容はアライブ定番メニューの「スーパーデッドニング・フロント&リア同時施工」です。
まずはアウターパネルの響きをコントロールしていきます。
アウターパネル裏を指先でコンコンと叩きながら制振材を貼るポイントを探ります。
あえて適当な大きさにカットしてある制振材の中から最適な大きさの物を選んでポイント部分に貼り付けます。
そして次のポイントを探ります。
最初は大まかに貼っていきます。
アウターパネルの響きが変わっていくにつれて制振材をさらに小さくカットして微調整していきます。
ここからヘラを使ってすべての制振材をしっかりと押さえつけて、より密着性を高めていきます。
ドア内部奥のほうの制振材もしっかりと押さえつけていきます。
奥のほうは手が入りにくく、力も入れにくいので指と腕が攣りそうになります。
この工程が結構大変で時間かかります。
運転席側が終わったら助手席側も同様に施工していきます。
よく「制振材を貼る位置は左右対称に貼るのですか?」と聞かれるのですが、全く違います。
各ドアそれぞれ叩きながら制振材を貼るポイントを決めて響きをコントロールしています。
結果的に各ドアへ貼っている制振材の位置や大きさは違うのですが、出来上がるパネルの響きは同じになります。
アライブのスーパーデッドニングは制振材を貼って(貼ることが目的)その結果の音を提供しているのではありません。
アライブサウンドのコンセプトである「いつまでも聴いていたくなる心地よいサウンド」になるようにドアの響きをコントロールしているのです。
要は明確なサウンド(目指す音)があり、そのサウンドになるような位置に制振材を貼っています。
ですので同じ車種が来ても制振材を貼ってある位置や大きさは全く違います。
しかし、それによって出来上がる根本のサウンドはすべてアライブサウンドになります。
逆に制振材を貼ることを主とするデッドニングでは出来上がるサウンドがその結果になります。
制振材を貼れば絶対に音は変わりますが、それがいい音になるのかどうかは別問題です。
まあ音が変わるので「変わったからいい音になった」と思えばそれはそれでいいのかもしれませんが、それならばDIYでやればいいのではないかと思いますね。
ただ我々はプロとしてお客様からお金を頂いてデッドニングをしています。
闇雲に制振材を貼って音が変わって「ハイッ!こんな音ができました!いい音でしょう!!」なん
てプロとしてはどうなんでしょうか?
良い音なんて人それぞれの感覚なので正解なんてありませんが、プロとして施工をしているのならブレの無いこだわりのサウンドを持っていないとダメだと思いますね。
アライブの各施工法は何回も言いますが「いつまでも聴いていたくなる心地よいサウンド」を生み出すために考案した独自の施工法です。
その一番重要でアライブサウンドの基盤となる施工法が「スーパーデッドニング」です。
という事で施工の続きです(笑)
スピーカー裏のパネル部分に吸音材を貼り付け余計な反射音を防ぎます。
これによりボーカルなどの音のこもりが解消されます。
貼り付ける面に耐熱ボンドを吹き付けて粘着を強化します。
続いてサービスホールをふさぎます。
ゴム質の制振材をサービスホールの大きさにカットします。
サービスホールの淵に耐熱ボンドを吹き付けて粘着を強化します。
スピーカーを取り付けてここから実際に音楽を鳴らします。
曲はビックバンドの生楽器演奏(特にベース音がよくわかる)の決まった曲をリピート再生します。
音楽を鳴らすとスピーカーの振動がドアのインナーパネルに伝わります。
実はこのインナーパネルの響きがスピーカー本来の音を悪くしている最大の原因です。
なにも施工していない純正スピーカーの場合、ボリュームを上げれば上げるほどスピーカーから伝わるインナーパネルの響きが大きくなり、聴感上音がつぶれたような歪んだ音になります。
ただただうるさいだけでボーカルや各楽器それぞれの音も聞き取りにくい状態になります。
その原因が純正スピーカーだと決めつけられがちですが全く違います。
確かに純正スピーカーは安価な物なのでリアルな音色なんてものは全く期待できませんが、それ自体が音を歪ましているのではなくドア自体の余計な響き(特にインナーパネル側)がその原因です。
そこを改善せずにスピーカーだけ高価なものに交換しても根本の原因の改善にはならず、せっかくの高価なスピーカーのクオリティーを発揮しきれずもったいないことになりますね。
逆に純正スピーカーでも音を悪くしている原因であるドアの響きをコントロールすることによって純正スピーカー本来のサウンドがよみがえり「えっ!?これ純正スピーカー!?」と驚く結果になります(笑)
それがスーパーデッドニング効果なのです。
デッドニングってDIYでもできるので簡単そうに思われていますが、実は一番奥の深い施工なんです。
また話がそれましたが、手をインナーパネルに触れて響きを感じ取り制振材を貼るポイントを探ります。
はじめはスピーカー周りの響きが大きい部分から貼っていきます。
これを繰り返していき・・・
左右見比べていただくとわかりますが左右対称には貼っていませんね。
インナーパネル側もアウターパネル同様に「目指すサウンド」になるようにその都度施工しています。
なんでそんなことがわかるのかと言われますが、こればかりはスーパーデッドニングを生み出してから多種多様な車種へ何百台と施工してきた経験からの感覚としか言いようがありませんね。
それと若いころから趣味でやっているギターもその感覚に役立っています。
ギター等のすべての楽器は楽器のボディー自体が響いて良い音色が出る構造となっています。
そのように作られています。
響かなかったら音自体出ませんからね。
そんな楽器の音を聞くだけではその楽器が響いてるなんてわかりません。
しかし演奏するとなると、特にギターは身体に密着させた状態で演奏するので、もろにギター本体が響いているのが伝わります。
音を聞く感覚とは別に響きを感じる感覚があるのです。
たまたまですがそんな感覚があったからこそ「響き=音」というものに敏感だったのだと思います。
この事から車のドアは「スピーカーボックスというより楽器のボディーだ」という事に気づき、そして制振材を貼るポイントを探ることに大いに役立っているのだと思います。
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