福岡県よりお越しのスイフトスポーツのスーパーデッドニング・フロント&リア施工詳細。
6月に『スーパーデッドニング・フロント&リア同時施工』の施工をさせて頂いた福岡県よりお越しのスイフトスポーツ。
後日施工後のご感想メールを頂いておりました。
ご感想メールご紹介の前に施工内容の詳細です。
スピーカー、防水ビニールを外してドア内部、インナーパネルを丁寧に脱脂処理。
まずはアウターパネルの響き制振材を利用して整えていきます。
ただただ闇雲に何の根拠もなく制振材を貼っていくのではなく、アウターパネルの響き自体を音楽を聴くうえで心地よく感じるために重要なベース音の余韻を作り出すように響きを調整するのです。
この部分が一般的なデッドニングとスーパーデッドニングとの大きな違いです。
制振材を貼り付けるポイントは指先でアウターパネル裏を叩きながら探っていきます。
何も貼っていない状態では薄い鉄板特有の「ビンビン」という音が響きます。
実はこのビンビン音がスピーカー(純正)自体の音を悪くしている原因なのです。
邪魔なビンビン音を制振材を貼って消すのですが、闇雲に貼ってしまうと肝心な音楽としての響きまで消し去ってしまいます。
とくに「ベース音」。
音楽にはどんなジャンルでもベースライン(ベース音)が必ずあります。
これがなかったらスッカスカの音になり聞いていて心地良くないですし、そもそも音楽(楽曲)として成立しません。
車のスピーカーの場合は薄いドアの鉄板に装着されているという一般的なホーム用のスピーカーとは違った環境です。
スピーカーからの振動が薄い鉄板のドアに伝わって中低音域が鳴るという特殊な環境です。
ですのでホーム用スピーカーの音つくりのセオリーが通用しません。
(ホーム用スピーカーで車のドアのようなペラペラの鉄板に装着されたスピーカーってありませんよね)
スーパーデッドニングは本来のスピーカーとしては絶対にありえない環境のドアを逆に利用しているのです。
制振材を利用して余計なビンビン音を消しつつ重要なベース音が奏でるように、ペラペラの鉄板のドアの響きを良い方向へチューニングするのです。
車のスピーカー(ドア)は『楽器の音を鳴らす楽器』と思えば自ずとその答えは出てくるはずです。
指先に伝わるドアの響きを感じ取りながらポイントを探り制振材を貼り、また次のポイントを探り制振材を貼り・・・を繰り返していきます。
その後ヘラでしっかりと全ての制振材を押さえ付けていきます。
押さえるというよりも叩き潰すような感じで押さえます。
その時の音変化もチャックしています。
これでアウターパネルの響きがベース音の余韻を奏でるようになりました。
スピーカー裏の背圧があたる部分にオーディオテクニカの吸音材を貼ります。
スピーカーの裏からも音が出ているのですが背面の鉄板までの距離が近いので、また鉄板が堅い材質なのでスピーカー裏から出た音が反射します。
その反射音とスピーカー裏から出るべき音がぶつかり合って打ち消しあったりと、本来のスピーカーの音に悪影響を及ぼします。
吸音材を貼る事によって反射音を防ぐことが出来ます。
聴感上の効果としては低音域のボワボワとした音がなくなりボーカルなどの中音域が明瞭になります。
貼り付ける前に接着面に雨水等が入り込んで剥がれてしまわないように、耐熱性のボンドを吹き付けておきます。
続いてサービスホールを塞ぎます。
サービスホールの縁に耐熱ボンドを吹き付けて勝手に剥がれない様に粘着を強化しておきます。
ヒートガンで温めながら太鼓の革をピンッと張る様な感じでしっかりと貼り付けていきます。
この状態でエンジンをかけ実際に音楽を鳴らします。
音楽を鳴らすとスピーカーの振動がドアのインナーパネルへ伝わっていきます。
アウターパネル同様このインナーパネルの余計な響きが肝心な音の邪魔をします。
制振材を利用して音楽全体のバランスを整えるような感じでインナーパネルの響きをチューニングします。
手の裏側をインナーパネルに触れて伝わってくる響きを感じ取ります。
※ 別の車両(DELICA D5)ですが、この工程の様子を動画に撮っていますのでご参照ください。
※ 左右ドアで施工前後の比較動画です。
最後に前後バランスの調整です。
が、スーパーデッドニング効果でこのような煩わしい調整機能は必要なくなります。
リスニングポジション、全ての座席(無補正状態)。
イコライザー、フラット(無補正状態)。
ホールシュミレーション、全てOFF。
バスブーストやらその他諸々も全てOFF。
唯一、クロスオーバー調整のみ使います。
ここの項目でスピーカーレベルの調整が出来るので、フロントスピーカーのレベルを基準にリアスピーカーのレベルを最適な位置へ調整。
ちなみにこの機能がある場合はフェダー調整はセンター位置のままです。
同時に前後スピーカー共にハイパスをかけて低い帯域の余計な低音域をカットして中低音域にメリハリを付けます。
これによりフロント、リアスピーカー、ツィータそれぞれの音の繋がりが良くなり音全体の定位が上がり車室内の臨場感も増します。
べースラインもよりはっきりと心地よく感じ取れるようになります。
この項目のセッティング時にはいろいろなジャンルの音楽、またCDに限らずUSB、ラジオ、TV等々のソースでも音を鳴らしながら全て共通して心地よいサウンドになるように、数値にとらわれずに『聴感』でセッティングします。
このセッティングによりどの座席に座っても同様の心地良いサウンドが体感できるようになります。
タイムアライメントありきで運転席重視のセッティングでは運転席でしか心地よいサウンドが聴けません。
アライブサウンドは全ての座席に座ってる皆が同様に心地良く感じてもらえることがモットーでもありますので、残念ながら運転席重視のセッティングは出来ませんのでご了承くださいませm(__)m
以上ですべて完成です。
長くなったのでご感想メールはこちらの別ページでご紹介いたします。