『スーパーデッドニング誕生秘話』の記事を修正しました。

『スーパーデッドニングって何?』の続き、『スーパーデッドニング誕生秘話』のページを修正しました。

『スーパーデッドニング誕生秘話』

ここにも同じ内容を記載しますのでご覧下さい。
またまた長文です(笑)

以下より本文です。

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『スーパーデッドニング』についてお解かりいただけましたか? 

もしまだの方は、
『スーパーデッドニング』って何? 
を先に読んで下さいねぇ~

ところで、デッドニング(スーパーデッドニング)ってドアの中に施工する作業なので、内張りを元に戻してしまえばドアの中は見えなくなってしまいますね(汗)

音は良くなったとしてもドアの中(施工状態)を見ていないので、もしかしたら・・・

「音は良くなったけどドアの中はどうなってるんやろ?」
「疑うわけじゃないけど、ほんとにちゃんとやってるのかなぁ?」

と思う方もいると思うんです。

施工状態が見れないと考えようによっては、ちょっと胡散臭い作業でもありますね(笑)

ですのでアライブでは必ず施工前から施工途中、 施工後までの写真を撮って、納車時にその写真を見て頂きながらご説明するようにしています。

目に見える形のある「商品」ではなく「技術」に対してお金を払うので、どんな風に施工しているのかを目で見て確かめられた方がより安心ですよね。

よく音創りを料理に置き換えて「音の料理人」なんて言ったりしますが、 確かに間違いではないと思うけど料理人の場合は完成するとまずは食べ物として目で見て確認することが出来ます。
目で見て確認し、それを食べて味覚を感じ、その味に感動し、満足し、その満足感に対してお金を払う事が出来ます。

しかし、音創り(デッドニング)の場合は完成しても目に見える「物」がありません。
しかも、料理人は「調理師免許」という公に認められた資格があるけど、音創りにはそんな資格なんてありません。
公に認められている資格(免許)が無いので、良い音になるならないは別として一般的なデッドニングの施工自体は誰でも簡単に出来るのです。
もしくは、そう思われやすいのです。
(「デッドニングキット」というD.I.Yでも出来るような商品が販売されているくらいですから・・・)

その誰でも簡単に出来る、またはそう思われている施行を施し、ましてや完成しても目に見えない施工法に対してお金を頂くなんて、ますます胡散臭さ満点ですねぇ(笑)

そして「スーパーデッドニング」の場合は、ただでさえ胡散臭いデッドニングに更に『スーパー』なんか付けちゃってるから、なおさら胡散臭いですよねぇ(笑)

施工後に音を聞いて頂き、ドア内部の施工の写真を工程順にご覧になって頂ければ胡散臭さも吹き飛ぶとは思うのですが、それでもスーパーデッドニングの意図する事を全てお伝え出来ません(汗)

それを少しでもご理解頂ければと思って『スーパーデッドニングって何?』の記事を書いたのですが、「じゃぁ、その根拠は?」って自分で書きながら思ったので・・・

『スーパーデッドニング誕生秘話』の、はじまりはじまりぃ~(笑)

『スーパーデッドニング』という施工法を大々的にやりだしたのが今年(2005年)に入ってすぐからなのですが、それまでは・・・

「デッドニングはサービスホールを塞いで、とにかくドア自体をガチガチに 制振すればOK」
「デッドニングなんかにお金をかけるんやったら、スピーカーやアンプ等の機材にお金をかけた方が絶対良い音がする」

と思ってました。

かといって「デッドニングの必要性は全くない」とは思ってなかったのですが、今思えばデッドニングの本当の意味と重要性、奥の深さをよく理解してなかっただけなんです(汗)

それまでは「スピーカー交換をすれば取り敢えずデッドニングはするものだ」という安易な考えでやっていたのですが、ある実体験を期に考えが大きく変りました。

『音』については音響学という学問があるように、本当は色々理論的な難しい話があるんでしょうが、はっきり言って僕自身勉強が嫌いでしたしそんな特別な学校も出てません(ちなみに高校は商業科でした(笑))

また、社会人になってからもカーオーディオ専門店で修行した訳でもありません。
全て実体験から得た我流です。

だから、そんな難しい理論的なことは知りません。
(スーパーデッドニングをやってるとその辺もある程度理解し、自然に身に付きましたが・・・)

ただ、音楽の勉強は嫌いでしたが音楽を聴く事は昔から好きでした。
「好きな音楽を、気持ちよく聞きたい」ただその思いだけは昔から強く持っています。

高校1年生の時、当時好きだったアーティストの影響でギターをはじめ、友達とバンドを組み高校の文化祭で演奏したりしていました。

今考えると、ギターをやってなかったら『スーパーデッドニング』という施工法も生み出せなかったでしょう。

今から約3年ほど前、高校時代の友人と十数年ぶりに「バンドでもやろうか」って事になり、早速メンバーを集めとりあえず練習開始!
バンド練習をするのにスタジオに行くのですが、最初は近くの安いスタジオに通ってました。

そのスタジオである体験をしました。

はじめは気にしてなかったのですが、何回目かの練習の時に限界が来ました。

そこのスタジオは音がやたらとうるさくて、4時間借りてたんですが1時間も耳が持たないんです(汗)

すぐ目の前でドラム叩かれてたらうるさいやろうし、当然ドラムの音に合わせてギターアンプの音量も上げるのでうるさくて当然だとは思ってたのですが、ただうるさいのではなく各楽器の音がごちゃ混ぜになっているような状態で、いくらギターアンプのボリュームを上げてもギターの音を聞
き分けられないのです。
ギターアンプが自分のすぐ横にあっても聞き取れないのです。
(その時はなぜそんな現象が起こるのか全く解りませんでした)

そんな状態では全く練習にならないって思い、次回からは違うスタジオに行く事にしたんです。

次のスタジオはちょっと遠いし値段も高いけど、結構地元で有名なバンドなんかも練習に来るようなところだったので、ためしに借りてみたんです。

始めてそこのスタジオの部屋に入った瞬間・・・

「・・・ん?」
「・・・なんか空気感が違う?」

そんな事を感じつつ、演奏開始。

そして音が出た瞬間・・・

「あれ・・・!?」
「なんか違うぞ!?」

と思いながら一曲演奏し終わった途端、メンバー全員開口一番・・・

「全然うるさくないやん!!」
「しかも、それぞれの楽器の音もはっきり聞こえる!!」
「音量は前の時と同じやのになんで???」

とにかくメンバー全員驚きでした。

このスタジオの部屋の中どうなってるんやろ?と、何気にその部屋の壁を触ってみたところ・・・

「あれ? 壁ふにゃふにゃや」
「壁の奥になんかある」

その壁をよく見てみると、普通の硬い壁ではなく目の細かいネットのようなものが張ってあって、その中に吸音材が入ってました。

「これかっ!!」

その時に大きな気付きを感じました。
「自分たちはスピーカーボックスの中におるんや」って事を!!

前の安いスタジオの壁は普通の部屋の壁で、すべての音が反射して本来出て来る各楽器の音に対して邪魔をしていたのが、 高いスタジオでは音を壁の中の吸音材である程度吸収させて余計な反射音を防ぐので、それぞれの楽器の本来の音がはっきりと聞こえるのです。

それに気付いた瞬間から音に対して悟りを開いた感じがして、もう頭の中は演奏どころじゃなかったのをはっきりと覚えてます(笑)

早速次の日から、まずは店の試聴用スピーカーボックスの中のチューニングを始めました。

・・・が、一体何をどうすればどうなるかが解らない状態だったので、いきなり良い音なんて出るはずもありません(汗)

とにかくそれからは吸音材の種類、大きさ、装着位置・・・色々なパターンで音を聴くという試行錯誤の連続でした。
何回も挫折しようかと思いましたが、持ち前の根気強さでやり続け・・・

数週間後・・・

「おーーーー!! この音や!!」
やっと納得のいく音が出ました。

納得がいくと言っても「この音が果たして良い音なのか?」という疑問は多少ありましたが、それ以前に「箱の中のチューニング次第でこんなにも音が変化するのか」という事に対して驚きでした。

その後も他の大きさの違うスピーカーボックスで試してみたり、違うスピーカーで試したりと無心になってやり続けました。

そんな事をやってるうちに、音の動き(空気の動き)がなんとなく感覚でつかめるようになってきたのです。

そしてこの実体験を生かし本来の目的である車のドアでやってみよう・・・

と思ったものの、改めてドアを見ると普通のスピーカーボックスとは形が全く違う(汗)
何をどうすればいいのか・・・また振り出しに戻った感じでした。

その時に思いました、

「普通の四角いスピーカーボックスで当たり前の音を出すのでさえ苦労するのに、スピーカーボックスとは似ても似つかない形状で、しかもぺらぺらの鉄板のこのドアでほんまに良い音でるんやろか...(汗)」

今までそんな事思ったこともなく、とりあえず良いスピーカーを付けたら良い音になると思っていた事が一気にくつがえされ、逆に自信喪失しかけました(汗)

しかしここで諦めては元も子もないので、音の動きの感覚はある程度身に付いていたのでとにかくやってみる事に。

普通のスピーカーボックスにやっていた方法は通用しないので、取り敢えず手でドアを叩きながらその音を聞いてやろうとしたが・・・

「う~ん...??? やっぱりようわからんーーー(涙)」
いきなり壁にぶち当たりました(汗)

ちょうどそのころ家の車を「ノア」に買い変えた時期で、オーディオはアンプとか付けるのも面倒だったので内臓アンプのCDデッキで純正のフルレンジスピーカーを鳴らしていました。

ある時エンジンスターターを取り付けようと思い、そのスターターがキーレス連動タイプだったのでドアの内張りをはずす必要がありました。
内張りを外すついでなので軽くデッドニングでもしとこうと、スピーカーは純正のままで切れっ端の余った制振材を使って適当にちょっとだけやったんです。

もちろん音を良くするつもりでやったデッドニングではないので、特に期待もせずとりあえず音を聞いてみたところ・・・

「エーーーーー!?!?!?」
「何この音!?!?!?」
「なんかめっちゃええやん!!!」
「低域もしっかり出てるし、特にベースラインの音がめっちゃ心地良い!」
「音もフロントガラスの方から聞こえてくるし、どうなってるの!?!?!?」
「しかもこれ純正スピーカーやで!?!?!?」

今、お客さんの車にスーパーデッドニングをして、そのお客さんが自分の車の音を聞いて開口一番発している感動の言葉を、今思えば自分自身が一番初めに発したのです(笑)

このとき、『純正スピーカーでもデッドニングの施工の方法次第でこんなに良い音するんや』と痛感しました。

この感覚を元に何台も何台も試行錯誤を繰り返していくうちに、初めは手でドアを叩いてその音を聞いて制振材を貼るポイントを探っていたのが、実際に音楽を鳴らしスピーカーからドアの鉄板に伝わってくる振動(響き)をコントロールする事に気づき、そのドアの振動(響き)を手で触れて感じとり良い音になる響きのポイントが解るようになってきたのです。

これらの経験を踏まえ約2年の歳月をかけて完成したのが『スーパーデッドニング』です。

思い返してみれば、あの時のスタジオでの体験がなかったら『スーパーデッドニング』は完成されてないでしょう。
もちろん『スピーカーはスピーカーボックスのチューニング次第で音の良し悪しが決まる』ことにも気付かず、未だにお客さんに対して「このスピーカーは値段が高いから良い音するよ」と物だけに頼った勧め方をしていたと思います。

確かに良い物は良いのですが、その良い物のクオリティーが活かされるかどうかは取り付けるドア(箱)の響かし方と取り付け方次第です。

最後に・・・

『スーパーデッドニング』はスピーカーからドアに伝わる振動を手で触れ、それも身体で感じ取って施工していきます。
耳で聞く最終的な音は、ドアの内張りを取り付けてすべて完成するまで聞けません。
手で触れ、身体に感じる感覚だけが頼りです。
その感覚の根拠は、ギター演奏やスタジオでの体験などで心や身体に感じてきた経験の蓄積です。

このブログのタイトルのように、音楽は耳で聞くというより心で感じるものなんじゃないかなとスーパーデッドニングをやるようになってから思うようになりました。

そう思ってよくよく考えると、そもそも音楽(楽曲)はその作り手が何かの思いがあって曲にしてるんです。
またその思いを曲にして、誰かに聞いてもらいたいから作ってるんです。
その曲を楽器で演奏するのですが、その演奏にもその思いの気持ちがこもっているはずですね。

そんな思いを込めて制作した音楽を、ただ耳で聞いてませんか?

特に興味のない音楽ならまだしも、少なくとも好きなアーティストの音楽を聞く時って何かを感じながら聞いてると思います。
また、懐かしい曲を聴いた時って昔のその時の思い出なんかを思い出したりしますよね。

それってただ耳で聞いてるのではなく、自然に心で感じてるんじゃないでしょうか?

カーオーディオは誰にも邪魔されず、少々大きな音で鳴らしても周りに迷惑をかけることもなく、自分のそういった思い出や、感情に浸れる最高の環境です。

車に装着しているカーオーディオが純正であろうが、100万円、200万円のシステムであろうが関係ないんですよ。
どんなシステムであっても『心で感じる音』で聴きたいですね

これが、アライブの『心で感じる音創り』です。